癇癪からはできるだけ短時間で、そして自力で立ち直る練習
息子はさほど癇癪が多い方ではなかったのですが、過去に何回か、手が付けられなくなるほどの癇癪が1時間ほど続くことがありました。
きっかけは、1から順に並べている物のひとつがないとか、おもちゃが思うように操作できなかったとか、本当に些細な事です。
その時はテレビを見せたり、ジュースを飲ましたり、息子の気が紛れる代わりの事を提案して、なんとか癇癪を治まらせていたのですが、息子のABAセラピストさんでもある心理士の先生に聞くと、こうやって他の方法で癇癪から立ち直らせるのは良くないやり方なんだそうです。
「気に入らないことがあると泣き叫ぶ=要求が叶う」と覚え、気に入らないことがあるたびに泣き叫ばないといけなくなり、結果、癇癪の回数が増えます。
理由はそれだけではありません。
世の中には、自分ではどうしようもない事が沢山あります。
例えば、食べていたお菓子が落ちてしまう、遊んでいたおもちゃが壊れてしまうなど、どうしようもない事であふれています。
その都度、親が代わりの物を提案し、癇癪を治まらせていたら、子供はいつまでたっても親が近くにいないと癇癪から立ち直る事ができません。
そこでどうするかというと、
「癇癪には対応しない」(つまり無視する)という事です。
我が家の場合は
3か月くらい前のある日、息子がささいな事から癇癪を起こしました。
夫と私は徹底的に癇癪に対応しませんでした。
大汗かいてわめき散らし、パニック状態で家の中をあちこち走り回っていましたが、目も合わさず、ひたすら知らない顔をし続けました。
1時間くらい経つと、次第に自分から、そこに置いてあったおもちゃに目を向け始めました。
そして、だんだん機嫌を取り戻し、そのおもちゃで遊びはじめ、自力で癇癪から立ち直ることができました。
次の日も、その次の日も、些細な事で息子は癇癪を起こし、1時間ほど泣きわめきました。
今まであまり癇癪を起こさなかった息子が、何日も連続で癇癪を起こしました。
これはABAでは「消去バースト」と呼ばれるもので、今までは泣いたら要求が叶えられていたのに、泣いても要求が叶えられなかった事により一時的に癇癪が増える事を言うそうです。この消去バーストを乗り越えると癇癪の回数が少なくなるそうです。
息子の癇癪の度に「対応しない」という方法を貫いていた結果、
息子の癇癪の時間はどんどん短縮されていきました。
当初、1時間ほど続いていた癇癪が30分に、そして15分に、現在はあまり癇癪は起こしませんが、起こしても5分~10分ほどで自力で立ち直っています。
癇癪まではいかない泣きの要求なども、「対応しないという」やり方を貫いています。
保育園でも気に入らない事やどうしようもない事は常にあるでしょう。
その都度1時間もの癇癪を起こしていたのでは、社会生活もまともに送れません。
子供が小さい頃から泣きの要求や癇癪を減らしておくと、後々、息子にとっても親にとっても楽なのではないかと感じました。